大久保佳代子のほどほどな毎日

第17回

「白髪」「薄毛」「若作り」と戦う 50代、悩める髪の毛問題

更新日:2026/02/25

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 先日、前髪を作りました。
 その日の私はきっとテンションが高かったのでしょうね。
 美容師さんからの「前髪、どうします?」の問いかけに「作っちゃおう」とノリで回答。

 「何年ぶりだろう」と年数を数えてしまうくらい、前髪を作るのはかなり久々だったんですけど、これがなかなか好評でね。
 バナナマンの設楽さんからも「前髪、可愛いじゃないですか」とか言われちゃって、私も「わあ、嬉しい♡」とか答えちゃったりして。
 思わず、うっかり、脊髄反射で。

 ただ、作ったら作ったで前髪は面倒臭い。
 メイクさんに毛先をクルンとアイドルみたいに巻かれてしまい、「どうしたら、相手を傷つけずに済むか」と考えながら「もっと自然な感じに直してほしい」のお願いをしなくてはいけなかったり……。

 そもそも、この年齢になると、前髪はちょっと怖い。
 上手くいけば“若返る”けれど、下手したら“若作り”になるし、私の顔の造形だとイルカさん(歌手のほう)になってしまう可能性もあるわけで。

 ちなみにイルカさんは、あの髪型キャラを確立しているので若作りでも何でもない、なんなら年齢とは無縁の世界で生きてる方ですからね。

 いつまでも若く見られたいけど、痛々しいおばさんにはなりたくない、そんな中年の気持ちを理解してくれたうえで、私の髪の毛を良い塩梅で切ってくれるのが、同じ年の美容師のユリちゃんです。

 ユリちゃんと出会ったのは20代半ば。そのきっかけはまさかの作品撮り。
 鎌倉の小さなスタジオを借りて、私がモデルになり、カメラマンの友達がそれはもう素敵な写真を撮ってくれたんだけど。
 そのときにメイクをしてくれたのがユリちゃんだったんだよね。
 そこから約30年間、ユリちゃんはずっと私の髪の毛を切ってくれいます。

 最初はたしか表参道あたりのお店に勤めていたんだけど、それが水道橋になり、本郷三丁目になり、年齢と共にどんどん離れていき、最終的には本駒込に。
 我が家から約1時間かけてまで通っているのは、やっぱり「安心して任せることができるから」。

 実際、カットはいつも“おまかせ”状態。
 伝えるのは「ちょっと変えたいかな」「もっと軽くしたいかも」「長さは変えなくていいかな」とか、本当にそれくらい。

 コロナ禍にボブにしてから、急に「髪型が可愛い」と褒められる機会が増えた私ですが、あれも実は“おまかせ”。
 ユリちゃんが勝手に切ってくれた髪型ですからね(笑)。

 ユリちゃんのお店に通い続けているのは、基本的に美容院が苦手っていうのも理由のひとつ。
 知らない人から話しかけられるのもだけど、オデコ丸出しだったり、ビショビショに濡れていたり、鏡の中のイケてない自分を眺め続けるのも美容院の苦痛ポイント。

 でも、個人経営のユリちゃんのお店はスタッフが彼女一人だけだから。
 誰の目も気にすることなくくつろげるんですよ。

 気になる時事ネタだったり、親の介護話だったり、同年代トークができるのも楽しくて。
 ただ、同年代だからこそ「あれ、なんだっけ?」の瞬間もやたら多くてね。
 そのたびに手が止まるのだけは困りもの。

 だからこそ、時間がないときはリアクションをできるだけ薄めに。
 「早く切れ」の空気を醸し出すように心がけております。

 ここまで読んでお気づきの方もいるとは思いますが、私はあまり髪型にこだわりがありません。
 もともと、毛量が多いせいか思い通りにならないことのほうが多くて。
 ボブにすれば“ヘルメット”、三つ編みをすれば“しめ縄”、高校3年間はトップ部分だけをゴムで結ぶ“ちょんまげ”スタイルを貫き、大学時代は東京に染まりたくてソバージュに。
 それもまた、ふくらんで大変なことになっていました。

 だからこそ、カットもヘアアレンジも潔くプロの手に委ねるというか。
 ヘアアイロンを買ったのも本当に最近。
 それまで、濡れた髪を乾かすためのドライヤーを一台持っているだけでしたからね。

 そんな私ですが、50代に突入してからはアンチエイジングにおいて髪はとても重要と痛感。
 さすがに髪の毛に気を遣うようになりました。

 今一番の問題は40代になってから急に増え始めた白髪です。
 うちの相方の光浦さんみたいに、まるでメッシュを入れたようないい感じのまだら白髪なら、そのまま放置しても“上品なおばさんエッセイスト”風で素敵だけど。
 それとは別の“ヤマンバ”路線もあるじゃない、たいていはそっちになる可能性のほうが高いじゃない。

 だからこそ、今はまだグレイヘアへの憧れは封印。
 白髪染めは念入りに。

 髪の根本が白くなってきたときは「ノンストップ!」の出演時、人気通販コーナー「いいものプレミアム」で出会った白髪用のヘアファンデーションを活用。
 先日、また購入しようとしたら見つからなかったので、今は販売していないかもしれませんが、かなりの優れもので。

 このコーナーでは『ディノス』の商品を紹介しているんですけど、これが本当にどれも良い品ばかりでね。
 そばで見ているとついつい欲しくなっちゃって、まんまと出演者の私も購入。
 で、我が家にどんどん『ディノス』の美容器具やら健康器具やらが増えていくっていう。
 ちなみに、最近買ったヘアアイロンももちろん『ディノス』ですからね。

 髪の毛のボリュームとツヤだけでマイナス4~5歳の効果を得られると強く感じる今日この頃。

 テレビに出るときは「これでもか!」ってくらい高温のヘアアイロンで挟んでツヤツヤにするし、髪が死にかけたらユリちゃんのお店へ行き魔法のトリートメントで復活の儀式を施す。
 年々、女性の髪も細く薄くなっていくからシャンプーもスカルプケアに特化したものを使用。

 前髪を作ってみたり、髪をいたわったり、少しでも若々しくいたいと願う私ですが、この年齢になって親に感謝したことがひとつ。
 それは「毛量多く生んでくれたこと」。

 若い頃はこの毛量がコンプレックスで仕方がなかったからこそ、当時の自分と同じように悩んでいるであろう若者を見かけるたびに思いますからね。
 「大丈夫、将来あなたたちが勝ちますから!」って。

 剛毛多毛に優しい微笑みと眼差しを向けつつ、余計なお世話を高温で焼きながら。

聞き手・構成/石井美輪 題字・イラスト/中村桃子

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©三山エリ

著者プロフィール

大久保佳代子(おおくぼ・かよこ)

タレント。1971年5月12日生まれ、愛知県出身。千葉大学文学部卒業。1992年、幼なじみの光浦靖子と「オアシズ」結成。「めちゃ×2イケてるッ!」でのブレイク後、バラエティ番組にとどまらず、コメンテーターや女優としても活躍している。近著にエッセイ集『まるごとバナナが、食べきれない』 (集英社)『パジャマあるよと言われても』(マガジンハウス) など。

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