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医師として、地元長野県の地域医療に取り組み、健康づくり運動を続けてきた著者だが、3年前、体重が80キロまで増えたと同時に、体力の衰えを感じるようになった。このままでは、いけない。現在70歳だけれど、何歳になってもぴんぴん元気でいて、興味があることをしたいし、行きたいところにはいきたい。極端な食事制限はしたくないけれど、10年先、20年先のことを見据えて、体を大切にケアしたいと痛感した。
そこで着目したのが「スクワット」と「かかと落とし」。それまでも、年間100回近く行う講演会のほとんどで推奨はしてきたし、著者自身も自宅で行ってはいた。それを、今までに以上に、回数を増やし、毎日続けた。続けるうちに、筋肉への負荷のかけ方のコツがわかってきて、オリジナルの鎌田式スクワットも開発した。日々スクワットをしていたら、甘いものを食べる量が自然と減っていった。体重が少しずつ減って、3年たった今は9キロ減。体が軽くなり、下半身を中心に筋肉がついて、疲れにくくなったし、歩くスピードもあがった。
「スクワット」は体重を減らしたい人だけでなく、やせて筋肉が少ない人にもおススメだ。高齢者にとっての大きな問題は筋量が減ることによっておこるフレイル(虚弱)。スクワットで下半身の筋肉を鍛えることは、誰にとっても大切だ。
「かかと落とし」は、かかとを持ち上げてストンと床に落とすことで、骨を再生する骨芽細胞に刺激を与えて強い骨を作る運動だ。最近、高齢者だけでなく転倒骨折が増えている。著者は「かかと落とし」も毎日続けて、130%と高い骨密度を持つ。
医師としてさまざまな健康情報に触れてきたけれど、この2つは本当にいい、と実感した「スクワット」と「かかと落とし」をじっくりと紹介する。
*目次は「試し読みはこちら」からご覧いただけます。
講演会でスクワットを実演しているところ。客席でもできるので、全員でやってみる。
全員が鎌田さんの動きに合わせて手を上げているところは、なかなか壮観な風景。
「かかと落とし」は、その場でかかとを上げ下げするだけなので、どこでもできる。慣れない人は、イスの背などにつかまってすることをおススメしているけれど、鎌田さんはこのとおり。
鎌田さんには、何歳になってもこれがやりたい、という夢がいろいろあるけれど、大好きなスキーは93歳になっても楽しみたいそう。そのためにも、日々「スクワット」と「かかと落とし」をしている。
鎌田 實 (かまた みのる)
1948 年、東京都に生まれる。
1974 年、東京医科歯科大学医学部卒業。
1988 年、諏訪中央病院院長に就任。地域と一体になった医療や、食生活の改善・健康への意識改革を普及させる活動に携わる。 2005 年より同病院名誉院長。チェルノブイリ原発事故後の 1991 年より、ベラルーシの放射能汚染地帯へ医師団を派遣し、医薬品を支援。2004 年からイラクの4つの小児病院へ医療支援を実施、難民キャンプに5つのプライマリ・ヘルス・ケア診療所をつくった。国内の活動としては、東北をはじめとする全国の被災地に足を運び、講演会、支援活動を行っている。近年は、健康づくり、介護をテーマとした講演会が増えている。近著に『曇り、ときどき輝く』(集英社) 『だまされない』(KADOKAWA)など。
鎌田 實 オフィシャル ウェブサイト http://www.kamataminoru.com