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トランプ経済 グレート・クラッシュ後の世界

岩永 憲治

判 型:四六判
頁 数:224P
ISBN:978-4-08-786141-9
価 格:定価1,870円(10%税込)
発売日:2025年3月26日

いよいよ世界経済のリセッションへのカウントダウンが始まった!

 2025年1月、トランプ政権2.0のMAGA(Make America Great Again)政策がスタートした。タッグを組んだトランプとイーロン・マスクの両氏が推し進めるMAGA(アメリカ第一主義)政策は、関税政策を初めとして、各国を困惑させているものの、米国にとっては、これまでの不利益を取り戻すことを目的とした政策なのである。この大改革は、日本にも多大な影響を及ぼし、やがて全世界を不景気に陥れるだろう。そしては株式市場や為替市場の暴落につながることを何よりも懸念しており、それを警告するのが本書の目的である。
 この不景気は、今までが史上最大のバブルであったため、グレート・クラッシュとなる可能性も十分に考えられる。そして今やグレート・クラッシュまでのカウント・ダウンが始まった。米国大統領選後の2024年末まで上昇トレンドを展開してきた株式市場、USドルの強気相場が終焉を迎えようとしている。アメリカ一強時代が終焉するとは、NYダウの100年の上昇トレンドの歴史に終止符が打たれることに他ならない。
 しかしながらこの強気相場とその崩壊は、いまに始まったことではない。歴史は繰り返すと言うが、2008年のリーマン・ショックの時もそうであった。、順調に上昇トレンドを展開していた米国株式市場に、突如、激震が走った。それは世界の投資家が明日を言い知れぬ恐怖と混乱に陥らせ、S&P500株式指数はたったの半年間で50%もの暴落にみまわれた。そして米国投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻の衝撃がトリガーとなって、全世界の株式市場がグレート・クラッシュとなったのだ。
 そして今回、「DeepSeek・ショック」によって、米国大手テック企業であるマグニフィセント7の中でもTOP3に位置しているエヌビディア社の株価が20%も急落したことで、日本の1年分の国家予算に相当する100兆円近くもの莫大な資金がたったの一夜で吹き飛んでしまうなど、グレート・クラッシュ前夜を彷彿とさせる相場のサインがいくつも点滅し始めている。
 しかし相場が暴落してからでは、もう遅いのである。株式市場にしろ、為替市場にしろ、メジャー・メディアのコメントには、いつも落胆させられる。いまの価格、いまの指数、いまの株価、いまの為替のレートがどうなるのかを説明することに重点を置いているだけで、物事の本質をまったく見ていないのだ。
 企業の実質的な財務状況や収益力や将来的な収益率にフォーカスした時に、その数字がいかに現実を逸脱しているかかが理解できるだろう。異常なまでに押し上げられた過大評価にマーケットが、はたと気がついたとき、常軌を逸したスピードで金融暴落に陥ってしまう、これが金融暴落、グレート・クラッシュだ。
 前著『金融崩壊! グレートリセットに備えよ』では、当時の多くのエコノミストが市場がリセッションに陥ると悲観的なムードにあったときに、アメリカの軍需産業の好景気とドル高・株高を予測した。しかし20204年の浮かれた好景気はもう終わり、2025年の春からは、新たなリセッションに身構えるべきなのである。
 2024年から2025年初までの史上最大のバブル相場が、いかにして出来上がったのかを理解すれば、グローバル・マクロ・エコノミーの全体像をご理解いただけるだろう。
 リーマン・ショックで金融暴落・株式暴落を経験した世界の中央銀行は、異次元の量的・質的金融緩和の名のもとに、ゼロ金利にいたるまで政策金利を引き下げ、そしてQEの名のもとで、莫大な金額の量的緩和を遂行した。これによって前代未聞の巨額、数十兆ドル(数千兆円)もの資金が金融市場にバラ捲かれたのが、そもそもの始まりである。その莫大なマネーを株式市場への流入が促された結果、NYダウ平均株価も日経平均株価も「40,000超え」となるほどのバブル相場が形成されたのである。
 今、バブル相場のおおもととなった莫大な資金は、世界の中央銀行による金利の引き上げと量的引き締めによって、少しずつ金融市場から引き揚げられている。要するに、史上最大のバブル相場を逆回転させていることに他ならないのだ。
 今回の「トランプ経済 グレート・クラッシュ後の世界」では、金融崩壊後に逃げ遅れて個人が、次の一手を考察するために、バブル崩壊後に芽吹くであろう「次世代のマグニフィセント7」になる可能性もある新しい産業分野や注目すべき企業に関しても、かなりのページを割いている。
 ある講演会の後、私の前著を読んで、金(ゴールド)に投資して安全に資産を増やした方に熱く御礼を言われた。自分の書籍を読者に理解していただき、実際の資産防衛に役立ったと御礼をいわれたことは、リアルな体験として筆者冥利に尽きることだった。それがこの新著を作る原動力の一部になった。
 本書を通して読者の皆さまとのご縁を頂けたことを深く感謝すると共に、そのように私を導いてくれた運命、大いなる存在に心より感謝している。

2025年3月  東京にて     岩永憲治

著者情報

岩永憲治(いわながけんじ)

熊本出身。日本陸上自衛隊に所属後、精鋭部隊であるレンジャーの養成課程に選抜される。自衛官となるか大学に進学するかを迷ったのち、見識を深めるために四年制大学への進学を決意。在学中にアルバイトの派遣先として外資系銀行のディーリング・ルームに配属され、やがて外国為替の売買に携わるようになる。1987年、明治大学政治経済学部を卒業と同時に、外資系大手銀行に就職し、プロフェッショナルの為替トレーダーになる。英、米、豪、スイス、カナダ各国の、世界に名だたる銀行で、30年以上、トレーディングの最前線で研鑽を積んだ後、各銀行においてセールス部門のヘッドとして、日本のトップクラスの会社とのビジネスに携わる。財務省の担当(MOF担)や日本銀行の担当(BOJ担)としても従事した。その後、一定期間のブランクを経て、金融コンサルティングを再開。現在、岩永グローバル研究所 代表。

著者に『金融崩壊!グレートリセットに備えよ』(集英社)。

岩永憲治 X アカウント
@y8sLQ57OkrahWe6

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