AIと、ちょうどいい暮らし 柳沢小実

第4回

旅のコンシェルジュ② ハノイ旅行 行ってからの活用法

更新日:2026/10/28

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 前回にひきつづき、旅のコンシェルジュとしてAIを使う実験の後編です。
 旅の行先はベトナム。仕事でハノイとサパを巡った後に、プライベートでハノイに2日間残りました。前回のタイ・バンコク旅行では主にホテル選びや食事、店、イベントなどの事前調査にAIを使いましたが、今回は現地で活用してみます。

 そもそも、なぜ楽しみのひとつである調べものにAIを使ったかというと、元々原稿が立て込んでいてあまり休めていなかったうえに、旅の直前は仕事に関する調べもので精一杯だったからです。
 ハノイですごす2日間で、食事と買物、そして独立系書店とブックカフェを巡りたいという希望はありましたが、事前調査がほとんどできていなかったので、サパ取材を終えてから調べて行先を決めることにしました。

 サパを訪れて少数民族の手仕事や服装、文化にふれて、もう一歩踏み込んで知りたくなった。そこで、まずは少数民族について学べる施設を探すことにしました。
 “候補である「ベトナム女性博物館」、「ベトナム民族学博物館」、「ベトナム美術博物館」のうち、少数民族をより多く紹介しているのは?”という問いを投げかけて、それぞれの施設にどんな展示物があるのか、見てまわる所要時間、訪れるべき優先順位もつけてもらいました。

 最優先は、「ベトナム民族学博物館」。“ベトナムの54民族の生活や文化を常設展示。ムオン、タイ、カダイ、モン、ザオ、チベット・ビルマ、モン・クメール、オーストロネシアなど、民族・言語系統ごとに紹介しています。さらに屋外には11民族の伝統家屋があります。所要時間は屋内展示+屋外の伝統家屋まで見るなら2.5~3時間は必要”とのこと。
 各少数民族がどの地域に住んでいるのか、それぞれの住宅や衣服、産業や手仕事などについても詳しくまとまっていて、見ごたえのある展示内容でした。


ベトナム民族学博物館

 次点は「ベトナム女性博物館」。“こちらも各民族の女性の衣装・装飾品を扱いますが、テーマはあくまで「女性」。少数民族の衣服や刺繍を見る目的ならかなり面白い。衣装・少数民族の展示を丁寧に見るなら1.5~2時間”
 衣服や日用品が多く展示されていて、ベトナム少数民族の女性たちの暮らしぶりを垣間見ることができました。


ベトナム女性博物館

「ベトナム美術博物館」は“民族文化そのものより、ベトナム美術史・工芸・宗教美術が中心。少数民族を目的にするなら優先順位は低い。ざっと見るなら1時間程度でも可能”とのことで、今回はスキップ。次回、美術鑑賞のために訪れるつもりです。

 検索では情報をピックアップすることはできますが、横並びなので自分のニーズとの合致度はわかりにくく、優先順位もつけにくい。今回AIにはおおよその内容と所要時間も出してもらったので、すぱっと判断できましたし、タイムスケジュールを組む際にも助かりました。

 このように旅先での調べものに関してはなかなか優秀ですが、その一方でレストランやショップ探しについては弱点も。レストランを探しているときに、どうやら古い情報を引っ張ってきたようで、すでに閉店していたり、そもそも架空の情報もありました。
 旅では一分一秒が大事だから、信頼性が最も重要です。特にアジアはお店の入れ替わりが早くて、いちいち確認するのも面倒だから、ブログなどではなく必ずグーグルマップのリンクをつけるように指示しています。そこで店名が出てこなかったり閉業とある場合は、営業していなかったり、あるいはそもそも存在しない可能性が高いので、迷わず除外します。グーグルマップは★評価も判断の一助になりますし、リスト機能で旅ごとにお店を保存しているのでいい動線です。


結局、ベトナム人ガイドさんが教えてくれた牛肉フォーのお店へ。柔らかいお肉がたっぷりでクリアなスープも美味しかった!

 そしてもう一つ便利な使い方は、ルートを作成してもらうことです。複数箇所をまわる場合、グーグルマップの検索では、こちらが順番を指示してそれぞれのルート間の移動方法と所要時間が表示されるのがせいぜいです。
 でも、むしろ旅行者が知りたいのは、土地鑑のない場所で効率よくまわるためのルート選び。数か所を指定してルートを決めてもらい、さらにはその途中(場所・時間など)でランチをするための店選びも投げてみたところ、Grabや徒歩など交通手段の提案や所要時間も正確で、なかなか便利に使えました。

 ただし、ひとつ注意したいのは、AIはどうもはりきりすぎる傾向があるということです。存在しない店をあげるのもそうですし、このときも頼んでいないのにタイムスケジュールを出してきました。
 あくまでもコンシェルジュ的に使っていて、そこまで判断をゆだねたくはない。全面的にコントロールされることには抵抗感があるので、それはしないでほしいときちんと断りました。これについては、手綱さばきが必須だと感じています。

 最後に、今回の旅で訪れてよかった独立系書店とブックカフェをご紹介しますね。これも、バンコクで訪れた書店名をあげて“タイの〇〇などが好きな人がハノイで行くべき独立系書店は? 写真集や実用書、ガイドブック、ZINEを取り扱っている店が望ましい”という聞き方をしました。

・独立系書店「Bookworm Hanoi」


地元の人から観光客まで、ひっきりなしに人が訪れる


かわいい紙ものもたくさん


本、ノート、ポストカード、うつわを購入しました

・ブックカフェ「tranquil. Books & Coffee」


路地を奥へ歩いていくと


こんな隠れ家がありました


オリジナルのトートバッグを購入

著者プロフィール

柳沢小実(やなぎさわ・このみ)

エッセイスト。1975年生まれ。日大芸術学部写真学科卒業。衣食住・収納・旅・手帳・ノートをこよなく愛する。趣味が高じて「整理収納アドバイザー1級」の資格を取得。部屋や時間を整えてすっきり軽やかに暮らすための、考え方やアイデアを提案。また、大手通販サイトなどでバッグ等の商品開発・監修も行っている。著書は読売新聞連載をまとめた『おうち時間のつくり方』(だいわ文庫)をはじめ、『すっきり暮らすためのもの選びのコツ』『わたしのごほうび時間 大人のゆったり旅』(ともに大和書房)ほか多数。最新刊は『「自分ログ」で毎日が変わる 手帳のある暮らし』(大和書房)。
Instagram:@tokyo_taipei
note:https://note.com/yanagisawakonomi

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