連載
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2025.11.12
EKIBEN――食べられる曼荼羅
中沢新一
- 第1回 駅弁の大国
- 日本の駅弁はいまや、爆発的な生命進化の起きたカンブリア紀の生物界を思わせるほどの活況ぶりである。創意をこらした駅弁の新製品がつぎつぎと生まれ、多様化にむけての進化がいまも進行中である。古代魚を思わせる風格ゆたかな歴史的銘品の数々も、新型駅弁を押しのける健在ぶりを保っている。
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2025.11.12
惑星巡礼
角幡 唯介
- 第235回 グリーンランド国立博物館
- グリーンランド国立博物館の展示物はなかなか内容に富んでおり、伝統的な毛皮服や毛皮靴、巨大なウミアック(大型の皮張り舟)の木の骨組みなどがずらりとならぶほか、パネル展示に記載された説明文も詳細で勉強になった。
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2025.11.05
古代の物語が生きている
神話の“現場”を歩く平藤 喜久子
- 第2回 ケルト神話を感じる
- 出雲で印象に残るのが「雲」であるなら、アイルランドは「風」でしょう。海から吹きつける風の音は、次第に獣の唸り声のように聞こえてきます。その風にさらされながら、巨人が作ったと伝えられる石の柱や、妖精が築いたとされる土塁を眺めていると、自然そのものが神話や伝説を語りかけてくるように感じられます。
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2025.10.29
わたしの骨はどこへいく?
安田 依央
- 第13回(最終回) 最終章 わたしの骨はどこへいく ②
- 三つ目の部屋を出て、回廊に立つ。で、考えた。それこそ、私の骨に何か役割はあるのだろうかと。骨の役割、前回の最後に格差と書いたが、言い換えれば骨の価値だ。役割を担う骨とは、誰かにとって価値がある。それが仮に負の感情の対象だとしても、少なくとも軽くはない意味を持っているだろう。
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2025.10.22
大久保佳代子のほどほどな毎日
大久保 佳代子
- 第13回 「骨折」が届けてくれた、改めて「自分」と向き合う時間
- ロケバスに乗り込もうとした瞬間、段差で足首をグニャリ。尋常じゃないグニャリに「あ、やばい、これはやったな」と。そう思ったものの「まあ、捻挫くらいだろう」とたかをくくっていた私に、波田陽区をイケメンにしたような整形外科医は告げたのです。「残念です、骨折しています」という本当に残念すぎる一言を、半笑いで。
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2025.09.24
旅から生まれた名画
中野 京子
- 第20回 旅の終わり
- 「旅の終わり」という言葉で思い出すのは、二〇一〇年のアメリカ映画『ウェイバック−脱出6500km−』(ピーター・ウィアー監督)。実話を元にしたとされる本作は、第二次世界大戦が勃発した一九三九年のポーランドから始まる。
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2025.08.27
いのちノオト
稲葉 俊郎
- 第2部 第1回 人生に「恋」と「迷子」の効用を
- 世界の底流には「何か」が流れている。音もそのひとつの流れだ。音は境界を越えてやってくるものだから。いのちの音の響きに、そっと耳を傾けてみる。「みずから」創造することもあれば、「おのずから」生まれてくることもある。「みずから」と「おのずから」のあわいを生きる中で、人生の創造の瞬間をいま体験している。
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2025.08.20
失踪願望。
椎名 誠
- 連載第27回~41回は単行本『続々 失踪願望。 病み上がり乾杯編』になりました!
- 連載は近日再開予定。お楽しみに!
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2025.08.20
対談連載 沖縄にとって「戦後」とは何か
目取真俊×木村元彦
- 第1回 沖縄から見える台湾の民主化と経済発展
- 芥川賞を受賞した『水滴』は勿論、鮮烈な表現で沖縄の痛みや暴力を描き続けてきた作家、目取真俊。作家としての地歩に勝ると劣らず彼を印象付けてきたのは、辺野古や
高江 における地道な抗議活動であった。
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2025.07.23
『テクノ封建制』を読む
大澤真幸(社会学者)
- 第6回 『テクノ封建制』を読む 大澤真幸先生インタビュー【後編】
- いま「テクノ封建制」という言葉が注目を集めている。ギリシャの経済学者であるヤニス・バルファキス氏が提唱したキーワードで、2020年代のさまざまな世界的変動を解き明かすカギになると期待されている。
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2025.04.09
知ってた? いまさらきけない宇宙の話
文 村沢 譲/イラスト 高田エミ
- 第8回 恐竜を滅ぼした隕石のナゾ
- 宇宙作家・村沢譲と宇宙好き漫画家・エミ先生の楽しい宇宙講座です。予備知識は一切不要!今回の話題は、「恐竜を滅ぼした隕石、次に落ちてきたらどうなる?」
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2025.03.26
いろいろな人のいろいろな色
色覚多様性をめぐって川端 裕人
- 第27回 第6章 色覚マイノリティの先生たち②
- 前回から、宮崎県立都城工業高等学校の岩﨑真寿美先生(教科は国語)と、福岡県立八幡工業高等学校の田口陽一先生(教科は数学)のお話を聞いています。すでに、ご自身が児童、生徒であった頃の学校でのことや、教師として働き始めてからの職場でのことを教えてもらいました。
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2025.01.29
わん!ワールド ウィークリー占い
特集コラム『わん!ワールド占い』的人間関係攻略法「水のわんこ」平賀 隆生
- 2025年 1/29~2/4の運勢
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2025.01.15
能になった平家物語
林 望
- 第3回 男に翻弄されながらも、自分の人生を生き抜く
『平家物語』の女たち - 巴御前は、『平家物語』に出てくる女たちの中でも、とりわけ人気の高い一人です。強く、美しく、かつ、深い哀しみを秘めています。木曾義仲の愛妾、巴御前は女ながらに一人当千の荒武者で、敵方の武者を捕まえては鞍にねじ伏せ、首をねじ切るという強者です。
- 第3回 男に翻弄されながらも、自分の人生を生き抜く
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2024.12.25
あなをかし、3分でわかる! 「源氏物語」と紫式部
奥山 景布子
- 第50回(最終回) これからの「源氏物語」
- 1年間、「源氏物語」と紫式部についてさまざまなテーマでお送りしてきました。最終回は、〈これからの「源氏物語」〉です。『フェミニスト紫式部の生活と意見~現代用語で読み解く「源氏物語」~』
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2024.10.30
現代英語で読み解くアメリカ大統領選2024
前嶋和弘
- 第3回 「現代英語で読み解くアメリカ大統領選2024③」
分断の先はあるのか - 間もなく11月の本選挙を迎えるが、「ハリス対トランプ」は激戦州を含む世論調査の数字をみると、依然として超僅差(razor-thin margins:カミソリのように薄い差)である。接戦の中、競り勝つために分断をあおるような言葉ばかりが目立つ選挙だが、分断の先に党派性を超える何かの共通項はあるのだろうか。
- 第3回 「現代英語で読み解くアメリカ大統領選2024③」
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2024.09.04
教養としての脳科学
茂木健一郎
- 第4回 人間無視とAIの袋小路
- 1.人工知能によって無効化される「人間」 今、人間の「脳」が揺らいでいる。 人工知能の急速な発達により、人間の脳本来の意義とその可能性が、一方では軽んじられ、また一方では過大視される状況になってきた。しばしば議論される、人工知能に人間の仕事が奪われるというテーマを超えて、人間の存在自体が疑問視される状況が生まれつつある。
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2024.07.24
私の愛する古典の魅力
能になった源氏物語林 望
- 第3回 すべて夢の中 『半蔀(はじとみ)』
- 源氏物語のなかでも、夕顔の巻は親しみやすいのか、非常に人口に膾炙している人気の高い物語です。京都の場末にあたる五条というごみごみとした町の中に、ひっそりと隠れ暮らしている若い女性。源氏との最初の接点は夕顔の花。そして、二人は出逢い、瞬く間に恋が芽生え、その絶頂のなかで早すぎる死を迎える…。
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2024.06.26
ミクソヴァース ―変形菌たちの世界―より
増井 真那
- 最終回 未来の自己へ
- 変形菌は、か細くて弱々しい存在に見えるかもしれません。だけど、私はその生き方からエレガンスを、さらにたくさんの問いかけ——「自己ってなんだろう」「これからの自己はどうなっていくのだろう」——を感じ取ります。愛する変形菌たちと共に生き、対話を続け、その特異な「自己」のあり方に、私はこれからも触発されていくのです。
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2024.05.29
東洋の至宝を欧米に売った美術商──山中商会と英国王室コレクション
もうひとつの『ハウス・オブ・ヤマナカ』朽木ゆり子
- 第3回 山中商会が現代に残したもの。
- 英国王室との関係も深まり、英国における日本美術と山中商会の名声は最高潮に達したかに見えた。しかし、第二次世界大戦がその流れを一気に打ち砕く。それでも日本美術を海外に紹介した業績が消えるわけではない。
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2023.08.30
読むダイエット
高橋源一郎
- 最終回 世界の果てで食べる
- 4月になって、長男が高校を卒業し、自宅に戻ってきた。彼は小学校2年の頃から、寮生活をおくってきたので、11年ぶりで自宅暮らしを開始したのである。びっくりだ。長男が家にずっといると不思議な気分になる。なんだか家人が増えたという感じだろうか。まあ、中学までは週末には戻ってきたし、高校生になってからは、夏休みや冬休みにはずっといたわけなのだが。
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2022.10.26
まるごとバナナが、食べきれない
大久保 佳代子
- 第1回 冷水をぶっかけて取り戻したい、女の鮮度と賞味期限
- 一人暮らしをしていると、困るのが食材の賞味期限。家族でもいれば使い切れるんだろうけど、一人だと食ベ切れないから、どうしても余っちゃうから。







