新刊情報
対馬の海に沈む
窪田 新之助
判 型:四六判
頁 数:328P
ISBN:978-4-08-781761-4
価 格:定価2,310円(10%税込)
発売日:2024年12月5日
国境の島で起きた巨額横領疑惑の真相に、長年JAを取材してきた著者が迫る!
22億円超の横領疑惑──巨額の金はどこに消えたのか?
2024年 第22回開高健ノンフィクション賞受賞作
2019年2月25日、長崎県対馬市でJA対馬の職員が自ら運転する自動車ごと海に溺死した。西山義治、享年44。1000万人以上の組合員を抱えるJAの共済事業において、彼は日本一の営業マンとして知られ、年収は4000万円近くに上った。実はかれには、多額の共済金を不正に横領していた疑惑があった。西山の家族、JA対馬の関係者をもとに、事件の全貌を明らかにする。
序章 事故
第一章 発覚
第二章 私欲
第三章 軍団
第四章 ノルマ
第五章 告発
第六章 責任
第七章 名義人
第八章 共犯者
第九章 造反
(目次より)
開高健ノンフィクション賞選考委員 大絶賛!
加藤陽子(東京大学教授・歴史学者)
ノンフィクションが人間の淋しさを描く器となれた、記念すべき作品である。
姜尚中(政治学者)
取材の執拗なほどの粘着さと緻密さ、読む者を引き込む力の点で抜きん出ていた。
藤沢 周(作家)
徹底した取材と人の内なる声を聞く聴力。受賞作に推す。
堀川惠子(ノンフィクション作家)
地を這う取材と丁寧な資料の読み込みでスクープをものにした。
森 達也(映画監督・作家)
圧巻だった。調査報道の見本だ。最優秀な作品として推すことに全く異論はない。
(選評より・五十音順)
窪田 新之助(クボタシンノスケ)
ノンフィクション作家。1978年福岡県生まれ。明治大学文学部卒業。2004年JAグループの日本農業新聞に入社。国内外で農政や農業生産の現場を取材し、2012年よりフリーに。著書に『データ農業が日本を救う』『農協の闇』、共著に『誰が農業を殺すのか』『人口減少時代の農業と食』など。