既刊情報
名画の中で働く人々 ――「仕事」で学ぶ西洋史
中野 京子
判 型:四六判
頁 数:224ページ
ISBN:978-4-08-781726-3
価 格:定価2,090円(10%税込)
発売日:2022年9月26日
名画で働く人々から西洋史の知られざるストーリーが見えてくる!
「看護師」はひと昔前なら「看護婦」。神話の時代からある仕事とは? 「リケ女」の走りは命がけ! 知っているようで知らない、仕事のルーツや歴史を、『怖い絵』シリーズの中野京子が解説。今まで見えてこなかった、もうひとつの西洋史がそこにある。
収録された絵画、全50点。中世から現代アメリカ絵画まで、幅広いラインナップと驚きのストーリーが「見る」西洋史の世界へ誘います。
<内容>
闘牛士 ― 動物虐待か、スポーツか、はたまた神事か
侍女 ― 宮廷の奥深くに入り込む「侍女は見た」!?
香具師 ― 今も昔も変わらぬ騙し騙されの世界
宮廷音楽家 ― ライブが全てだった時代特有の苦労
羊飼い ― 社会のアウトサイダーにならざるを得なかった
女性科学者 ― 「リケ女」のはしりは命がけ
道化 ― 舞台でおどけて、楽屋で泣いて
警官 ― 絵画の主役にはなりにくい役回り
思想家 ― 簡単なことを難しく考えるのが仕事?
ファッション・デザイナー ― 衣装を見ればどんな時代かわかる
大工 ― イエスと結びつき、神聖化された職業
看護婦 ― プロフェッショナルと認められるまでの長い道のり
政治家 ― ヘンリー八世に仕え、明暗をわけた政治家たち
修道女 ― 神に捧げる一生ですら時代に翻弄されて
船頭 ― 神話世界から続く職業も今や先細り
異端審問官 ― 泣く子も黙らせ、良い子も騙すテクニック
傭兵 ― 世界最古の男の仕事。舞台は戦場
女優 ― 女はもともと演技上手。その最高峰が……
子どもも働く ― 厳しい環境を逞しく生き抜く
天使も働く ― 人間のためではなく神のために働くのは当然
中野京子(なかの きょうこ)
北海道生まれ。作家、ドイツ文学者。西洋の歴史や芸術に関する広範な知識をもとに絵画を読み解くエッセイや歴史書を多く執筆。『怖い絵』シリーズは好評を博し、2017年には「怖い絵」展を監修、続く2022年にはコニカミノルタで「星と怖い神話 怖い絵×プラネタリウム」上映。他の人気シリーズに『美貌のひと』、『名画で読み解く王家12の物語』、『名画の謎』など。近著に『フェルメールとオランダ黄金時代』がある。