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空をゆく巨人

川内 有緒

判 型:四六判ソフトカバー
頁 数:368ページ
ISBN:978-4-08-781671-6
価 格:本体1,700円+税
発売日:2018年11月26日

福島県いわき市に、いつまでも完成しない美術館がある。
それは現代美術のスーパースター蔡國強と、
〝いわきのおっちゃん〞がアートで起こした奇跡。
第16回開高健ノンフィクション賞受賞作!

スタジオジブリ 鈴木敏夫氏絶賛!
ひとりの人間が出来ることなど、たかだか知れている。しかし、ふたりになると奇跡が起こる。
中国福建省出身の蔡國強と福島県いわきの会社経営者志賀忠重。
ふたりは、80年代末にいわきで出会い、数々の作品を生み出して来た。
そして、蔡國強は、現代美術の世界的なスーパースターになった。
ぼくは、この話を他人事として読むことは出来なかった。蔡國強と宮崎駿が折り重なった。
ぼくは、この長い物語をたった2日間で一気に読んでしまった。
ちなみにぼくは、川内有緖さんの事を子供のころから知っている。
恵比寿にある小さなマンションの8階にぼくの一家が、9階に彼女の一家が暮らしていた。
ぼくはいまでも彼女のことをこう呼ぶ――あっちゃん、やったね! 開高健賞、おめでとう❣

【内容紹介】
福島県いわき市の会社経営者・志賀忠重と、中国福建省出身の世界的現代美術家、蔡國強。
生まれた国も、育った環境も違う二人は、1980年代の終わりにいわきで出会い、数々の「作品」を生み出してきた。
砂浜に埋もれた大型木造船を掘り出した作品、海に導火線を置いて走らせた炎……蔡が描いたスケッチを、日頃アートに縁のない志賀らが頭と体を使って形にしていく――蔡がニューヨークに拠点を移してからも、志賀ら"いわきチーム"は 作品制作に協力した。
そんな二人の最大の作品が、東日本大震災の翌々年に制作した「いわき回廊美術館」。原発という「負の遺産」を故郷に残してしまったことを激しく悔いる志賀が、美術館周辺の山々に99,000本の桜の木を250年かけて植樹する「いわき万本桜プロジェクト」を進めている。誰もが訪れたくなる場所にしたいという思いを込めて。
二人の「巨人」の足跡を辿りながら、美術、ひいては「文化」というものの底力を問う、こんな時代だからこそ伝えたい、アートと人間の物語。

2018年12月11日に毎日ホールで開催された
川内有緒さんと逢坂恵理子さん(横浜美術館館長)と荻上チキさん(評論家)による
『空をゆく巨人』スペシャル鼎談はこちら
https://www.shueisha.co.jp/20181211/

撮影/小野一夫

著者情報

撮影/市川勝弘

川内有緒(かわうち・ありお)

1972年、東京都生まれ。日本大学芸術学部卒業後、米国ジョージタウン大学で修士号を取得。米国企業、日本のシンクタンク、仏の国連機関などに勤務後、フリーのライターとして評伝、旅行記、エッセイなどを執筆。その傍ら小さなギャラリーも運営。『バウルを探して 地球の片隅に伝わる秘密の歌』(幻冬舎)で、第33回新田次郎文学賞を受賞。著書に『パリでメシを食う。』(幻冬舎)、『晴れたら空に骨まいて』(ポプラ社)など。

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