リーマン・ショックから15年。コロナ禍やウクライナ戦争で世界の情勢も変わり、それまでのグローバル経済は立ち行かなくなった。最大の問題は、世界的なインフレが止まらないこと！　世界中にお金があふれ、生産地と消費地の間のいたるところでボトルネックが発生した結果だ。2022年から、アメリカは金融を正常化しようとして、急速な金利の引き上げを行っているが、その体制下で新たな大規模な金融危機が起こる可能性が、飛躍的に高まっている。2023年春、アメリカではＩＴ系の投資に積極的だったシリコンバレー銀行などの3行が破綻し、ワシントン・ミューチュアル銀行がJPモルガンに救済合併され、わヨーロッパではクレディスイス銀行がUBSに救済合併されるなど、新たな金融危機の始まりか？　と話題になった。
　そんな予断を許さない情勢のなか、リーマン・ショック後の為替変動をいち早く予想した著者は、次なる最大の金融危機が2024年末までに起こるであろうと予測する。
　すでに経済不況に突入したという意見もあるが、著者は、もう一度バブルの最後の吹き上げが起こり、株価が高騰した後、その急落をもって最終的には1929年の大恐慌やリーマン・ショックを超える危機が来ると言う。
　この本では、過去のバブルとその崩壊の歴史を紐解きつつ、トレーダー時代に培った「潮目の読み方」を披露する。
　自衛隊での訓練経験を持ち、外資系金融機関でさまざまなキャリアを経た著者は、独自の情報収集力に優れ、危機管理意識も卓越している。そんな著者が、これからの困難な時代に自分の金融資産を守り、生き抜くために是非と読んでほしいと、渾身の思いで書いたデビュー作である。