既刊情報
トンネルの向こうへ
「あと一日だけがんばる」無謀な夢を追い続けた日々
大坂 環
判 型:四六判
頁 数:160ページ+カラー口絵16ページ
ISBN:978-4-08-781715-7
価 格:定価1,760円(10%税込)
発売日:2022年4月26日
大坂なおみの母が初めて明かす、チャンピオンになるまでのがむしゃらな努力、成功後の苦悩と今
「自由に生きたい」北海道の保守的な家庭を飛び出し、
ハイチ系アメリカ人と駆け落ち同然で結婚
北海道根室市の保守的な家庭で育った著者ですが、父の価値観から外れた行動が許されないことに窮屈な思いを募らせ、反対を押し切って札幌の高校へ進学します。高校では英語を専攻し、知的好奇心にあふれる友人たちにも恵まれ、刺激のある生活を楽しみました。短大卒業後は札幌で就職。21歳のときにハイチ系アメリカ人マックスと知り合い、交際を始めます。
「娘たちをプロのテニス選手にする!」
お金も頼る人もない中で、がむしゃらな努力が続いた
父親の猛反対が続く中、24歳のある日、家族には黙って、マックスが引っ越して店を経営していた大阪へ。駆け落ち同然で結婚し、翌年には長女のまりが、1年半後には次女なおみが誕生。セリーナ&ヴィーナス・ウイリアムズ姉妹の活躍に触発された夫が「娘たちをプロのテニス選手に」と目標を掲げ、以来、一家四人の生活は「テニスが全て」になります。お金もプロテニスの知識もない中、幼い娘たちのコーチは夫が担当、著者は昼も夜も働き続けて経済的に支える一方で、インターネットや書籍で手に入る限りの情報を入手する日々が続きました。
なおみが全米オープンで優勝。家族を取り巻く環境が
激変。とまどいと悩み、そして成長する娘との新たな関係
2018年の全米オープンでなおみが優勝。成功の喜びの一方で、なおみは多くの人々に囲まれるようになり、新たな心配が始まりました。事前の相談もなく突然なおみがロスに家を買って独立。ショックを受ける著者ですが、かつての自分の姿を重ねあわせ、子どもの自立は見守るしかない、親は自分の生き方で手本を示すしかないという心境にたどり着きます。
目次
第1章 はじまり
第2章 自由を求め続けた根室~札幌時代
第3章 ニューヨークで本格始動
第4章 突然のフロリダ行き
第5章 私流の食事サポート
第6章 なおみ、チャンピオンへの道
2022年、娘たちの住むロスを訪れて、母娘3人でじっくりと語り合いました。(写真/著者提供)
撮影/山下みどり メイク/津田雅世(モッズ・ヘア)
大坂 環(オオサカ タマキ)
北海道根室市生まれ。北星学園女子短期大学実践英語科卒業。札幌市の金融機関に勤務。24歳のとき、ハイチ系アメリカ人と結婚。大阪で5年間ほど生活し、その間、二人の娘(まりとなおみ)を出産。娘たちをプロのテニス選手に育てるという目標のもと、アメリカに移住。ニューヨーク、その後転居したマイアミで日系企業に勤務しながら娘たちの練習、体づくり、遠征の準備など、選手生活をサポートしてきた。現在はフロリダ在住。