〈刊行記念インタビュー〉

『孫と遊んで若返る!
老化予防82の秘密』

池田紅玉

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池田紅玉さん

「紅玉式」で子どもの地頭を伸ばすには

孫育てのノウハウを体系的に解説した画期的な実用書『孫と遊んで若返る! 老化予防82の秘密』が4月に発売になりました。バイリンガル子育ての先駆者である著者、池田紅玉先生に、子どもをクレバーに育てる方法をお聞きしました。本書は、漫画を使って気軽に読めるようになっています。本文の漫画を一部ご紹介しながら、話を進めていきましょう。


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孫育ては祖父母育て

――先生は、0歳から100歳まで英語学習・生涯学習を支援する「紅玉式」代表として、学びの魅力を発信されています。ご自身も、3歳のお孫さんがいらっしゃるのですね。

 この本は、「孫育ては祖父母育て」ということで、孫と一緒にシニア世代の生活もステップアップする方法を82個紹介しています。発売してみたら、本を読んでいただいた若いお母さん、お父さんや保育関係の方からも、子どもとどう接すればよいかのテキストとして活用しています、とご好評いただいています。私も孫を育てながら一緒に学んでいます。

――小学生にタブレットが配られる時代、祖父母世代からみると、学校の授業もだいぶ変わっているようです。ここからは、最近よく話題になる子育て3大トピック、英語・算数・読み聞かせについてお聞きしていきます。

英語はいつから始める?

――英語学習は、なるべく早く始めた方が良いのでしょうか。

 幼い子どもの聞き取り能力と、発音の再生能力は抜群です。しかし、幼いほど「速く習得できますが、忘れるのも速い」のです。
 大切なのは、始める年齢にかかわらず、ゆったりとした気持ちで、良質な入力を長期的に続けることです。歯磨きや、食事を毎日するように、ごく自然のこととして英語を生活に取り入れる工夫によって、言語能力が最大限に伸びると思います。

――先生が開発なさった紅玉式も、楽しく継続できるような作りになっていますね。

「苦手だ、だから嫌いだ」になってしまわないような工夫をしました。
 筑波大附属小学校で2年間研究授業をした時も、腹話術の人形を使ったり、歌を歌ったり、ともかく明るく楽しい雰囲気を心がけました。

――先生は、「英語そろばん」というユニークな活動をなさっていますね。

 英語なの? そろばんなの? とよく聞かれます。
 英語で数を読み上げたものを、聞き取ってそろばんで計算をし、答えは英語で言います。
 英語でそろばんをすること自体は、それほど珍しくはないのですが、紅玉式では、足し算と引き算だけに集中し、暗算力をきたえます。
 そろばんをはじくことは、手指を使うので脳を刺激します。
 また、集中して英語の数字を聞き取ることによって、リスニング力が自然と身に付きます。

算数の文章題は、そろばんで解けるようになる?

――数学が得意になるには、算数の塾に通わせると良いですか。

 語学と同じで、数学や他の勉強も、楽しく継続することが大切です。張り切って始めても、すぐにやめてしまっては、効果が少ないのでもったいないです。
 数の概念を身に付ける段階なら、ご家庭でも十分できます。
 そして、小さな成功体験を積み重ねて、楽しい、もっとやりたい、と思えるようにしてください。
 本の中でも紹介している、「十玉そろばん」や「百玉そろばん」がおすすめです。
 ご興味のある方は、紅玉式のホームページをぜひご覧ください。
(紅玉式百玉そろばんhttp://ikedakogyoku.com/krp

――計算ばかりやっても、文章題が解けるようにはならない、という考えもあるようですね。

 パソコンがあるから、そろばんは必要ない、と考える方もいらっしゃるようですが、どのような時代でも、学びの基本はアナログだと私は思います。
 文章題を解く前段階として、しっかり頭を動かす、手を動かすことが大切です。
「学問に王道なし」と言うと、息子より若い世代には古いと笑われてしまうのですが、タイパ、コスパばかり追求する今の流行りには疑問を感じています。
 面白いことに、40年前の息子の成長と、今3歳の孫娘の成長の仕方は、同じなのです。どんなに世の中が便利になろうと、子どもがたどる成長過程は変わることはありません。
 親世代や祖父母世代の方々は、自信を持ってご自分のやり方で今の子どもを育てていって良いのです。

本の読み聞かせは何歳まで?

――読み聞かせは、いつまで続ければ良いのでしょうか。

 この本でも、年齢別に読み聞かせの方法を提案しています。
 字を覚えて自分で本を読めるようになってからでも、読み聞かせは続けてください。本好きになるだけでなく、コミュニケーション能力の向上にも役立ちます。小学生になったら、時には子どもに本を朗読してもらうのも楽しいものです。無理強いするのではなく、遊びの一つとして読んで、たくさん褒めてやりましょう。

――本の中に「奇跡の孫」という言葉が、何度か出てきますね。

 出生率がどんどん下がっているこの時代に、孫に恵まれるのは、奇跡と言っても良いと思っています。せっかく出会えた「奇跡の孫」ですから、一緒に人生を楽しんでいきたいなと。この本は、そのお手伝いになるようにという思いから書きました。これから子育てを始めようという若い方たちにも読んでいただきたいです。バーバ、ジージを大いに頼って、豊かな人生を歩んでください。私も一緒に成長していきます。

撮影/藤澤由加 漫画/太田由紀

著者プロフィール

池田紅玉(いけだ・こうぎょく)
本名・池田和子。英語の生涯学習を支援する「紅玉式」代表。カリフォルニア州立大学大学院修了。東横学園女子短大(現東京都市大学)助教授、ハーバード大学客員研究員を経て、帰国後は青山学院大学英語英文学科、日本大学英文学科、学習院生涯学習センターなどで教鞭を執る。現在は著述業、講演活動、英語そろばん&朗読コンテストを主宰。専門は英語音声学、英語朗読法、バイリンガル子育て。「紅玉式 英語そろばん」開発者。7万部のベストセラーとなった『満点ゲットシリーズちびまる子ちゃんの英語教室』(集英社)他著書多数。
紅玉式 公式サイト https://ikedakogyoku.com/

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