広重の浮世絵は、江戸時代の写真だ!?

広重の浮世絵をこよなく愛好する著者が、ある日、ふと発想を転換して浮世絵をみたところ……驚くべき事実が浮世絵に書き込まれていることを発見！
写真のない時代、広重の描いた浮世絵こそが報道写真のようなものではないか？
さらに著者の専門である土木や治水の知識をもって見ていくと、江戸の地形や水利の歴史の謎が解け、知られざる江戸幕府の政治や仕組みの秘密も見えてくる。
エネルギー資源不足やリサイクル、湿地の干拓や水質汚染の変換など、現代の環境問題に通ずるテーマもとりあげる。

『日本史の謎は「地形」で解ける』シリーズが30万部以上のベストセラーとなった著者ならではの冴えた謎解きが、「名所江戸百景」や「東海道五拾三次」に描かれた名所に合わせて展開される。
この浮世絵の場所は現在、どうなっているのか？　日本橋、四ツ谷、溜池、新橋、品川……この本を片手に、江戸の地形の秘密を探る散歩を楽しんで！

德川家広 氏も推薦！
美しい浮世絵はもちろん、カラー図版満載で、是非、保存版にしたい一冊です！


（　目　次　）
第１章．日本橋から始まる旅　　
　　　　――もっと薄く、より小さくが、日本人のアイデンティティー――
　　　　浮世絵「日本橋　雪晴」　
　　　　浮世絵「日本橋　朝之景」　　

第２章．「参勤交代」と「統一言語」　　
　　　　浮世絵「岡崎　矢矧之橋」

第３章．水運が形成した情報ネットワーク
　　　　浮世絵「四ツ木通用水引ふね」
　　　　浮世絵「江尻　三保遠望」
　　　　浮世絵「両国橋大川ばた」

第４章．戦国のアウトバーン、小名木川　　　
　　　　浮世絵「小奈木川五本まつ」
　　　　浮世絵「中川口」

第５章．関東平野の最重要地、軍事拠点「国府台」　　　
　　　　浮世絵「鴻の台とね川風景」

第６章．馬糞が証明する　究極のリサイクル都市「江戸」　
　　　　浮世絵「四ツ谷内藤新宿」
　　　　浮世絵「日坂 佐夜の中山」

第７章．広重の〝禿山〟から考える　エネルギー問題　　　
　　　　浮世絵「鞠子　名物茶店」
　　　　浮世絵「岡部　宇津之山」

第８章．下谷広小路 ─―防災都市の原点─―　　
　　　　浮世絵「下谷広小路」

第９章．日本人と橋造り ─―対岸への願望─―　　
　　　　浮世絵「越中　冨山船橋」

第10章．日本堤と吉原の遊郭 ―─市民が守った江戸─―　　
　　　　 浮世絵「よし原日本堤」

第11章．遊郭の窓から五〇〇年の時空へ 〝高台〟という仕掛け
　　　　 浮世絵「浅草田甫酉の町詣」

第12章．ヤマタノオロチが眠る　湿地都市の宿命　
　　　　 浮世絵「箕輪金杉三河しま」

第13章．文字通りの鳥瞰図　　　
　　　　 浮世絵「深川洲崎十万坪」　　　

第14章．日本の命の水の物語　　
　　　　 浮世絵「玉川堤の花」
　　　　 浮世絵「紀の国坂赤坂溜池遠景」

第15章．歴史が生んだ近代 ─―牛から電車へ─―　　
　　　　 浮世絵「大津 走井茶店」

第16章．近代化の象徴、鉄道開通と住民運動の始まり　　
　　　　 浮世絵「東京品川海辺蒸気車鉄道之真景」