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だから、居場所が欲しかった。
バンコク、コールセンターで働く日本人

水谷 竹秀

判 型:四六判
頁 数:288ページ
ISBN:978-4-08-781633-4
価 格:本体1,600円+税
発売日:2017年09月26日

フィリピン在住の開高賞作家が描く、成長を止めた日本のもうひとつの現実

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「お電話ありがとうございます。○○社の△△です。ご注文ですか?」陽光溢れる、東南アジアのタイ、バンコク。高層ビルの一角にあるコールセンターでひたすら電話を受ける日本人がいる。非正規労働者、借金苦から夜逃げした者、風俗にハマって妊娠した女、LGBTの男女……。息苦しい日本を離れて、彼らが求めたのは自分の「居場所」。
 フィリピン在住の開高賞作家が日本の現実をあぶりだす問題作。

  第1章  「非正規」の居場所 学校時代、いじめに悩み、卒業後に非正規労働を繰り返した吉川。バンコクでDJの道を目指すが……。
  第2章  一家夜逃げ  10歳上のタイ人の妻を持つ世渡り下手な本田は仕事に追い詰められ、借金を残したまま一家でタイに渡る。
  第3章  明暗  コールセンターを踏み台にステップアップした丸山。困窮邦人へと転落する関根。明暗を分けるものとは。
  第4章  バンコクのゴーゴーボーイ(ブリーフ姿の若いタイ人男性らがステージで踊る連れ出しバー)にハマる女たちがいる。シングルマザーとなった青山、藤原姉妹はそれぞれがゴーゴーボーイと結婚して海外移住する。
  第5章  日陰の存在  日本ではまだまだ許容されているとは言えないLGBTの人々。一見許容度の高いタイのでコールセンターで働きつつ、居場所を模索する。家族との軋轢で悩む高木。風俗嬢の仕事まで経験したレスビアンの堀田。性転換を果たした水野。果たして彼らに居場所はあるのか。
著者情報

水谷竹秀(みずたに たけひで)

ノンフィクションライター。1975年三重県桑名市生まれ。上智大学外国語学部卒。新聞記者、カメラマンを経てフリーに。現在フィリピンを拠点に活動し、月刊誌や週刊誌などに寄稿。2011『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる困窮邦人』(集英社)で第9回開高健ノンフィクション賞を受賞。著書に『脱出老人 フィリピン移住に最後の人生を賭ける日本人たち』(小学館)がある。

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