特集コラム

『わん!ワールド占い』的「東京都知事選挙」

第11回

更新日:2024/07/03

  • Twitter
  • Facebook
  • Line

『わん!ワールド占い』では、古代中国で生まれた陰陽五行説に基づき、人間社会を「木・火・土・金・水」の5つの犬種グループに分類します。そしてこの5つのグループ同士にはそれぞれ明確な相性が存在します。

 たとえば「水は木を育てる」ので「水」と「木」のグループは相性がよく、「木が燃えることで火を生じる」ので木と火のグループは相性がいい。でも「水は火を消してしまう」から「水」と「火」のグループは相性が悪いといった具合です。

 もちろんこれは、会社や学校の人間関係だけでなく、政治や行政の世界にもそのままあてはまります。

 東京都では、小池百合子都知事の任期満了に伴う「東京都知事選挙」が6月20日に告示され、7月7日に投開票されます。東京は日本の首都であり、選挙結果が国政に及ぼす影響も大きいことから、日本国民全体にとっての関心事となっています。
 そこで今回は、この「東京都知事選挙」について『わん!ワールド占い』的考察をしてみたいと思います。

 まずは、約30年前の平成7年(1995)以降の、歴代の東京都知事を振り返ってみましょう。

“土”のわんこグループ

ボーダーコリー
13代 青島幸男(在職1995年4月~1999年4月)
1932.7/17

“金”のわんこグループ

チワワ
14代~17代 石原慎太郎(在職1999年4月~2012年10月)
1932.9/30

“木”のわんこグループ

ダルメシアン
18代 猪瀬直樹(在職2012年12月~2013年12月)
1946.11/20

“火”のわんこグループ

柴犬
19代 舛添要一(在職2014年2月~2016年6月)
1948.11/29

“水”のわんこグループ

コーイケルホンディエ
20代~21代 小池百合子(在職2016年7月~)
1952.7/15

 面白いことに、5人の歴代都知事の五行が「土、金、木、火、水」ときれいに分かれています。これは、住民の意識が多様性に満ちており、その時代と共に常に変化し、流行の波によって揺れ動く、大都市特有の傾向だと思われます。
 とはいえ、この5人の在職期間には大きな差があり、猪瀬直樹氏はわずか1年、舛添要一氏も2年余りで辞任しています。これは、東京都知事という重職を全うすることの難しさを物語っています。
 都知事はその影響力の大きさゆえに、都議会や都庁職員、そしてメディアなどから、常に厳しいチェックの目を向けられているからです。

 そんな中で、2期以上にわたって都知事を務めたのが、14~17代の石原慎太郎氏と、20代~21代の小池百合子氏です。

 石原氏は「金」のわんこのチワワ。感受性が高く、空気を読む能力に長け、物事の本質を見抜く目を持っています。
 そして「金」のわんこは、五行の5つのグループの中で最も「敵を作りにくい」という性質を備えています。それは「金」には「宿敵」と呼べる相手がいないからです。
 五行には特に相性が悪い関係があります。「火」は「水」が宿敵。「水」は水を濁す「土」が宿敵。「土」は養分を奪う「木」が宿敵。でも「金」には宿敵がいません。相性が悪いのは「火」と「木」ですが、よほど強い火でなくては金を溶かすことはできないし、硬い木で叩いても金を傷つけることはできません。
 石原氏は、歯に衣着せぬ言動から「ワンマン」という印象がありますが、実際はその場の空気を読む、繊細な人物だったとも伝えられています。加えて「金」の五行が持つ「敵を作りにくい」性質が、都議会や都庁職員とも大きな軋轢を生むことなく、多くの都民に支持され、4期13年半ものあいだ東京都のリーダーであり続けた理由でしょう。

 小池氏は「水」のわんこのコーイケルホンディエ。人間的な器が大きく、優れたリーダーシップを持っていますが、そのマイペースな性格ゆえに、「金」のわんこと違って「敵が多い」という特徴があります。
 それなのに、なぜ2期8年間も都知事の地位を守れたのかと言えば、それは五行の「水」の持つ「流れを生む(流行を作る)」という特性ゆえではないかと考えます。
 特にコーイケルホンディエは「流れを生む」力に長けています。その特性によって、2016年の都知事選で291万票、2020年は366万票という圧倒的な票数を獲得し、都議会をコントロールできたのではないでしょうか。

 今回、2024年の「東京都知事選挙」は、この小池氏が三選を果たせるかどうかが一つの焦点となっています。

 過去最多の56人が立候補の意向を表明していますが、その中でも、出馬がニュースとして取り上げられた著名な候補者をあらためて見てみると……。

“水”のわんこグループ

コーイケルホンディエ
小池百合子  1952.7/15

“火”のわんこグループ

シベリアンハスキー
蓮舫 1967.11/28
石丸伸二 1982.8/12

“木”のわんこグループ

ジャックラッセルテリア
清水国明 1950.10/15

“土”のわんこグループ

ボーダーコリー
田母神俊雄 1948.7.22

 なんと、「水」の小池候補と最も相性が悪い“宿敵”の「火」の候補が、2人も名を連ねています。
 そして下馬評では、この「火」のひとりである蓮舫候補が対抗馬とされ、選挙は小池候補との一騎打ちという見方がされています。

 蓮舫候補はシベリアンハスキー。正義感が強く、不正に対しては噛みつかずにいられない、ファイター気質の持ち主です。勝負事にも強いので、小池百合子候補にとってはかなり怖い存在と言えるでしょう。もし、小池候補の「水」の流れが弱ければ、蓮舫候補の「火」によって、蒸発させられてしまうということもあり得ます。

 ただ、ひとつ気になるのは、もうひとりの有力候補である石丸伸二氏(広島県安芸高田市前市長)も、蓮舫候補と同じ、シベリアンハスキーであるということ。石丸候補はそのファイター気質だけでなく、政治的なスタンスも小池候補よりは蓮舫候補に近いため、支持層が重なり、票を取り合ってしまう可能性も考えられます。
 これはあくまで想像の話ですが、仮に、この「火」のわんこの2人ががっちり手を組むようなことがあれば、「火」の力が倍増し、非常に手強い存在になったと思います。しかし、「火」のわんこの中でもシベリアンハスキーは、もともと「一匹狼」の気質を持っているため、他の誰かと共闘をする可能性は低いのです。蓮舫氏も石丸氏も、これまでの活動を振り返ると「一匹狼」的な性向が垣間見えます。

 いずれにしても、小池候補と蓮舫候補、そして石丸候補の対決は、「水が火を消すか、火が水を蒸発させるか」という、緊張感のある戦いになることは間違いありません。

 東京都、ひいては日本の未来を左右する重大な選挙ですから、厳粛な気持ちで結果を見つめたいと思います。

バックナンバー

バックナンバー

本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
(c)SHUEISHA Inc. All rights reserved.