〈 刊行記念インタビュー 〉
『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』
文・大屋優子 漫画・現代洋子
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大屋優子(結婚カウンセラー)さん
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現代洋子(漫画家)さん
巷にあふれる「結婚相談所」への誤解や偏見、それってみんな、単なるイメージで思い込んでいるだけなのでは? 『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』の刊行を記念して、著者の大屋優子さんと現代洋子さんに、今の時代のリアルな「婚活あるある」を語り合っていただきました。
──やっぱり、おふたりとも「結婚推進」派なんでしょうか? 結婚は絶対に、した方がいい?
- 大屋
- いいえ、まったくそんなことはありません!(笑)
実際に結婚している人はみんな痛感していると思いますが、結婚生活ってめんどうなこといっぱいありますよね。親戚づきあいだとか、法事だとか。果ては双方の親の介護問題まで勃発します。ひとりの方がよっぽど楽です。特に今は女性が堂々と自分の力で稼いで食べていける時代ですからね
- 現代
- 私も20代後半の頃にお見合い漫画を描いたりしていたから、ものすごく「結婚したい」キャラだと思われていたと思うんですけど、実は、それほど本気で婚活していたわけでもなかったんです。結果的には出会いがあって結婚、ふたりの娘たちを育ててきたわけですが、別の生き方もあっただろうし、そっちはそっちで楽しかっただろうな、と思っています。
- 大屋
- 結婚しなくても社会で活躍しながら心豊かに生きていけますよね。基本的には、心からそう思っています。だけど、私自身は結婚しているし、娘たちにもいつかは結婚してほしいと思っています。結婚は「絶対しなくちゃダメ」なものではないけど、「結婚したい」と思っている人は全員結婚できるようにしてあげたい。「結婚したいのに、なかなかできない人」の力になりたい。結婚相談所を始めたのはそんな理由からなんです。
──コロナ禍でリアルな出会いの機会は激減、婚活にどんな変化が?
- 大屋
- まず、合コンができなくなった。友達の紹介で会うことも少なくなったし、みんなでワイワイ飲みに行くということもできなくなった。だから、結婚相談所の会員数はこのところ増え続けています。マッチングアプリの登録数もずいぶん増えたと聞いています。
- 現代
- マッチングアプリは、今の大学生や若者たちは当り前みたいに使っているみたいですよ。実際にそこで出会った人と付き合ったりもしているようだし。大屋さんは、マッチングアプリの存在についてはどんなふうにとらえていらっしゃいますか。
- 大屋
- 出会いのひとつの場として考えればいいんじゃないでしょうか。否定はしません。実際にアプリがきっかけで結婚したという人も知っています。ただ、気をつけてほしいのは、中には「詐欺」まがいのこともあるということなんです。たとえば、プロフィール写真が実物とまったく違う。年収や職業も嘘。待ち合わせ場所に相手が来なかったなんてこともあるみたいですよ。
- 現代
- プロフィール写真だけじゃなく、経歴などが全くの嘘では、怖いですよね。
- 大屋
- マッチングアプリは、既婚者が「独身だ」と登録するようなこともないとは言えません。結婚相談所は、その点が安心です。必ず独身証明書を出させますし、収入証明や学歴の証明書も確認します。もちろん、マッチングアプリでもそうしているところはありますけど、結婚相談所とマッチングアプリの決定的な違いは、「カウンセラーがいるかいないか」なんです。
──結婚カウンセラーって、具体的にどんなことをするんですか?
- 大屋
- いろんなタイプの方がいますけど、私の場合はこの本のタイトルにあるように「余計なお世話」もします。一昔前なら「お見合いおばさん」と呼ばれていたでしょうね。「結婚したい」という願いをもって相談所を訪れて来てくれた人たちは、みんな自分の大切な子どもたち。それぞれの想いや事情に寄り添って、結婚できるまで全力で応援し続けます。
- 現代
- 今回漫画を描くためにたくさんのエピソードを読んで、大変な仕事だなぁと思いました。夜や早朝に電話で相談を受けたり、LINEでも始終報告や悩みが送られてきたり。あとは、突然の「交際終了」宣言!断られた会員さんにはそれを伝えなくてはいけなくて、胸の内を思うと泣きたくなることもあるでしょう?
- 大屋
- 一緒に泣いたり笑ったりしています。結婚相談所での婚活は、「会ってみたい」というお見合いを申し込むのも、その後の仮交際に進むかどうかの返事も、そして、お断りする際も、すべてカウンセラー経由でやりとりするんです。本人は「自らの手を汚す」ことにはならない。これは、相手に気持ちをうまく伝えられないような方にとっては気が楽ですし、変なトラブルになることもないので安心だと思います。
- 現代
- そこは、結婚相談所ならではのいいところですね。でも、それでもやっぱり「結婚相談所は、モテない人が行く最後の砦……」という人も、まだまだ多いですよね。
- 大屋
- だって、私自身が、そう思ってましたから。イケてない人しか来ないんでしょ、って(笑)。ところが、始めてみたらびっくり。登録者のプロフィールを見たら、その素晴らしさにきっと誰もが驚くと思いますよ。
──今回の本にはたくさんの婚活エピソードが紹介されていますが、特に印象的なのは?
- 現代
- 大屋さんから「ダメだ!」と注意されているのに「すぐにドライブに誘っちゃう」男性の話、いろいろ考えさせられました。男女の意識の差が現れていますよね。女の人がどう思うかをまったく考えない男の人、こういう人「いる、いる!」って感じ。私としては、これは「必見!」とお薦めしたい。
- 大屋
- 仮交際中のデートで長距離ドライブは、リスクが高いんですよ。まだお互いを知らないうちの長時間デートは負担が大きいし、乗り降りの際の気遣いや内装のセンスなんかも問われますしね。なのに、言うことを聞かない、聞かない。
- 現代
- 「豹変!」した女性のエピソードも、笑っちゃいました。
- 大屋
- ひらひらした感じの清楚な可愛らしいお嬢さんが、相手の貯金額を聞いて、いきなり顔色を変えたという話ですね。あのエピソードは、現代さんの漫画の力でよりいっそう際立ちました。文章だけを見てこんなふうに描けるなんてすごい才能!と驚きました。
- 現代
- 絵がパッと思い浮かんだんです。(笑)こういう女性、ほんとうにいるんですね。婚活では、ひとりひとりの個性があらわになりますね。しかも、本人だけじゃなくて、親の存在感もけっこう感じました。
- 大屋
- 結婚相談所への入会を親が勧めるというケースは、とても多いんですよ。入会金などの費用を親が負担して「うちの子の結婚をお世話いただきたい」と頼まれることも。
- 現代
- 「半年以内に結婚できる20のルール」のひとつに、ありましたね。「親は『金を出しても口は出さない』が婚活成功のカギ」!あのエピソードに出てくるお母さんは理想的。いやいや婚活を始めたお嬢さんも、素敵な男性とご縁があって結婚されましたものね。
- 大屋
- あのお母さまは「ぜひ、この本の婚活エピソードのドラマ化を!」とおっしゃっていて、その際には「自分の役を演じる女優さんは、私に選ばせて」って(笑)。
──子どもの結婚、親は手伝った方がいいと思いますか?
- 現代
- 子ども本人が「結婚したい」と思っているなら手伝った方がいいと、大屋さんの原稿を読んで思いました。本人にまかせて放っておいたら、しない子は、たぶんいつまでもしない気がする……。
- 大屋
- 現代さんのおっしゃる通り、本人が「結婚したい」という意志を持っていることが大事です。それがなかったら、いくら相談所に来ていただいても、結婚はできません。ただ、何も動かないでいるのは「機会損失」につながるから、最初はそれほど乗り気じゃなくても何か動いてみる、結婚相談所を一度訪ねてみるというのはやってみるといいと思いますよ。
- 現代
- あとは、家族や周りの人に「結婚したい」って伝えることも大事ですよね。そうじゃないと、余計なお世話もできないし。
- 大屋
- 実際にあった話ですが、50歳を過ぎて、周りからは「ずっと独身でいるんだろうな」と思われていた人が、親しい友人から「一度、結婚相談所に行ってみるといいよ」と勧められて私のところに訪ねてこられたんです。登録されたプロフィールを見て気になる人がいるというから「会ってみたら?」とお見合いをしたら、お互いが気に入って3か月でスピード結婚!ということも。
- 現代
- 婚活しているということを恥ずかしくて言えない、という風潮もあるのかな。結婚願望を隠している人は案外多そうですよね。
──タイトルにあるように、「半年で結婚できる」?
- 大屋
- はい。私はできると思っています。婚活優先にスケージュールを組み、お相手の良いところを見つけるプラス査定ができる人なら。「結婚したい」と願って私の相談所にいらした方には、とにかく一日も早く、成婚退会をしていただきたいと思うんです。だらだらやってもいいことはひとつもありません。ただし、ちゃんと真剣に真面目に取り組んでもらう必要があります。
- 現代
- 婚活への真剣さが足りない人がまだまだ多いのかな? それって「婚活しています」というのが、ちょっと照れ臭かったり恥ずかしかったりするからでしょうか。
- 大屋
- 人生にはいくつか区切りの活動がありますよね。受験、就活、そして婚活。受験は失敗しても浪人すればいいし、就職はダメだと思ったら転職という手があります。だけど、結婚は、もちろん離婚して再婚ということは可能だけど、それってものすごく大変なことでしょう。
- 現代
- 確かに、離婚を経験した人はみんな「離婚するまでが大変だった」って言いますね。何年もかかったり、大きな傷跡を残したり。結婚って、受験や就職よりももっと人生に影響しますね。
- 大屋
- そうなんです。だから、婚活ってすごく大切で大変なこと。人生においていちばん重要な活動ですよ。かと言って、時間をかければいいというわけでもないんです。短い期間で集中して婚活優先で動いて結婚というゴールにたどり着いてほしい。そんな想いで「半年で結婚できる」というフレーズをタイトルに入れました。大丈夫!できます!
──この本を、どんな人に読んでもらいたいですか?
- 大屋
- 「結婚したい」と心の中で思っているけれど、一歩が踏み出せない人、そういう子どもをもって思い悩んでいる親御さんに、ぜひ。みんなが悩んだり苦労したりしながら婚活をがんばっていることを知ってほしいです。現代さんの漫画のおかげもあって、楽しく読んでいただけると思います。
- 現代
- うちの娘たちを見ていると、女の子は結構自分で動ける気がするんですよ。だから、男性にこそ読んでもらいたいなぁ。漠然とした結婚への憧れから、具体的に「結婚したい」と思うようになるための橋渡しができる本になると嬉しいです。今すぐ動かなくてもいいけど、「いつか」のために、頭の中に置いておいてほしい。面白くて考えさせられるエピソード満載です。
- 大屋
- 婚活って、自分磨きにもなるんですよ。真剣に取り組んでいる会員さんたち、申し込みが入ってお見合いしたり仮交際が始まったりすると、みるみるきれいになったり、カッコよくなったりしていきます。ダイエットも成功して、自信もつくみたい。そして、そういう方々は、あっという間に結婚していく。
- 現代
- 異性の目を意識することって、やっぱり大きいんですね。これまでは出会えなかったような人と会えるのは、結婚相談所ならではの価値ですよね。
- 大屋
- なのに、やっぱり「結婚相談所に登録するのはハードルが高い」と思われているのが残念。
- 現代
- いかにも困っていますというイメージのある「相談所」という名前がよくないのかもしれないですね。今は市民権を得たマッチングアプリも、かつて「出会い系サイト」と呼ばれていた頃は、おおっぴらにはできない感じでしたよね。名前って大事。
- 大屋
- ほんとね!新しい名前、考えてみたい。体を鍛えたくて通うのがスポーツクラブなんだから、結婚するために通うなら婚活クラブとか?(笑) とにかく、私はこれからも結婚したい人のために「余計なお世話、いたします」!
- 著者プロフィール
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大屋優子(おおや・ゆうこ)〈左〉
1964年生まれ、株式会社ロックビレッジ取締役。ウエディングに特化した広告代理店を30年以上経営のかたわら、婚活サロンを主宰。世話好き結婚カウンセラーとして奔走。
https://rv-konkatsu.com/
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現代洋子(げんだい・ようこ)〈右〉
1964年生まれ、漫画家。代表作に、自身の婚活を描き、実際に結婚に至った『ともだちなんにんなくすかな♪』、伝説の自腹お食事コミック『おごってジャンケン隊』など。
https://www.gendaiyoko.com/
『余計なお世話いたします 半年以内に結婚できる20のルール』
文・大屋優子 漫画・現代洋子
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