〈 刊行記念インタビュー 〉
田村セツコ式 紙とえんぴつ
田村セツコさん(著者)×小泉晃子さん(絵本作家)
田村セツコ(著者)さん
×
小泉晃子(絵本作家)さん
ボケるのは怖くないわ!がモットー、軽快で元気いっぱいのエッセイ本を上梓した田村セツコさん。今日は、助手役の小泉晃子さんにも、刊行祝いの女子会という名目でいらしていただきました。お二人には内緒のどっきり企画もあります。
――本が出来上がって、久しぶりに三人で揃いましたね。
<解説>この本が生まれるきっかけになったのは、田村さんが講師をしている絵日記教室です。小泉さんは、生徒として長年通っています。 第1章は、月刊誌に共作連載した「白髪のアリス絵日記教室」12回分のカラーページをまとめました。
――12回分の絵と文章は、毎月どのようにアイデアを考えていらっしゃったのですか。
――先生、だいたい早く仕上げてくださいましたよね。お教室が月2回あるうちの、後の方の回が締め切りのはずなのに、先の回で先生が持ってきてくださるから、小泉さんがあせって。
第1章「アリスのポエム」より
<解説>第3章「アリスの魔法練習帳」は、紙とえんぴつを使ってハッピーになる様々な工夫を、読者が実際描き込んで練習できる章です。先程から話題の「絵日記教室」、ひとりごとを言うのではなく書いてみる「ひとりごと」など。白髪のアリスこと田村さんのお手本つきで、全部で10テーマあります。
――第3章では、どのページが一番お好きですか。
<解説>「わがままかるた」は、犬棒かるたをシニアの人がわがままに変えて作ったら、という設定で、笑ってもらおうというページです。小泉さんの御母堂、小泉フサコさん(雑誌『りぼん』の漫画家さんでした)が田村さんと共作した、「いじわるかるた」(1968年『りぼん1月号』に掲載)という記事を再現しました。元の記事は、今ではNGのネタがいくつもあるので、ちょっとマイルドに変えています。
――このページは、セツコ先生と小泉さんの師弟共演であり、フサコさんとの親子共演でもあるんですよね。
――セツコ先生の絵にも、黒猫がつきものですね。先生の帽子や手には猫のお人形がくっついていますし。
「絵日記」執筆中の田村さん
(ここで、突然雨が降り出す)
――カフェの中なので、気にしないで本題にいきます。今日集まっていただいたのは、3章の読者参加のページを、お二人に即興で描いてもらおうと思ったんですよ。
――今日のことでも。妄想日記でも。一応、ペンと色えんぴつは持ってきたんで。小泉さんには、「わがままかるた」を。本では使わなかった文を書くので、絵をつけてもらおうかと。
――すいません、ムチャ振りで。どっきり企画ということで。
(雷の音)
――落ちたような音でしたね。あと、「ひとりごと」のページ、「大人のぬりえ」もあります。
(しばらく無言で描く)
「わがままかるた」執筆中の小泉さん
――こっち側に、日記を書いていただけますか。
――……ただのダジャレです。
――意味がわかんないですよね。雨、すっかりやみましたね。
――あはは。
(ここで時間切れ)
完成した「絵日記」
――ありがとうございます! 読者の皆さまに、参考にしていただきます。最後に、ここまで読んでくださった方に向けて、メッセージをお願いします。
完成した(?)「ひとりごと」
田村セツコ(たむら・せつこ)
イラストレーター、エッセイスト。1938年東京生まれ。1960年代に『少女ブック』『りぼん』(集英社)『なかよし』(講談社)の表紙や“おしゃれページ”で活躍。その後、“セツコグッズ”と呼ばれるキャラクターグッズで一世を風靡。現在は絵日記教室の講師、個展、講演会他。画業65年、好きで入った道を貫いている。
小泉晃子(こいずみ・あきこ)
1971年東京生まれ。『りぼん』の漫画家を経て、現在は、絵本作家、イラストレーター。絵本に『アイアイじまとユウユウじま』『おにわのピクニック』(学研)等。田村セツコの絵日記教室には10年以上通っている。
本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
(c)SHUEISHA Inc. All rights reserved.