集英社 知と創意のエンタテイメント 学芸・ノンフィクション

文字サイズを変更

  • Facebook
  • Twitter
  • 開高健ノンフィクション賞
  • 情報・知識&オピニオン imidas
  • 集英社創業90周年記念企画 ART GALLERY テーマで見る世界の名画(全10巻)
  • 渡辺淳一恋愛小説セレクション【全9巻】
  • 集英社国語辞典[第3版]
  • 集英社ビジネス書
  • e!集英社

Shueishagakugei

謹んで「熊本地震」災害のお見舞いを申し上げます。

熊本地震により甚大な被害が発生いたしました。
お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、
被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
一日も早く平穏な日々が戻りますよう、そして復旧がなされますよう心よりお祈り申し上げます。

(株)集英社

  • 集英社・熊本地震災害被災者支援募金のお知らせ

謹んで地震災害のお見舞いを
申し上げます。

東日本大震災により被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。
また、被災地等におきまして、救援や復興支援など様々な活動に全力を尽くしていらっしゃる方々に、深く敬意と感謝の意を表しますとともに、一日も早く復旧がなされますよう心よりお祈り申し上げます。

(株)集英社

  • 集英社・東日本大震災被災者支援募金のお知らせ
  • 集英社・東日本大震災被災者支援募金募金状況とご報告

Nonfiction

読み物

Photo Essay 惑星巡礼 角幡唯介

トリコラ北壁

更新日:2018/02/14

 北極の旅にかまけている間にやりそこねていることがある。ニューギニアの探検だ。
 二〇〇一年にニューギニアの遠征に参加したことがあるが、それは私にとって非常に消化不良感のつよい、後悔ばかりがつのる結果に終わった。最終的な目的はオセアニア最高峰であるカールステンツ峰北壁に新ルートから登るというものだったが、それが叶わなかったからだ。隊長と意見が合わなくなった私は途中帰国し、それ以来、独自のニューギニア遠征を心の中で企画し、ノートにそれを書きこみ必ず実現しようと考えつづけてきた。しかし、それから十六年もたったにもかかわらず、いまだに私はそれを実行していない。その時々にやりたい旅が次から次へとわいてきて、一番古いテーマであるニューギニアは最新のテーマに押しやられて後回しにされてしまうのだ。
 最近、インドネシアの登山に関するガイドブックが発売されており、そのなかにニューギニアの山についてもかなり詳しい情報があることを知り合いの若いクライマーから教えてもらった。読んでみると、私たちが十六年前に登った山の記録も簡単に紹介されていた。じつは十六年前の遠征では、最終目標であるカールステンツ峰には登れなかったものの、トリコラ北壁というインドネシア領ニューギニアにある第三の高峰の岩壁には登っており、しかもそれは初登だった。若かった当時の私には、この登山は所詮はカールステンツの代案にすぎない小さな山登りという意識がつよかったが、今思い返すと五百メートル以上のかなり大きな岩壁であり、かなり本格的なクライミングだった。隊長のクライマーとしての実力があったからこそ登れたわけで、小さな山にすぎないなどという私の不満などお門違いも甚だしかったと思う。
 当時の写真を見ると、やはりもう一度行ってみたいという気持ちがふつふつとわいてくる。もう十六年もたっており、インドネシアも経済発展しているだろうからかなり奥地も開発されてニューギニアも未知の要素がなくなっているだろうなと漠然と考えていたが、ガイドブックをみると案外まだそうでもないらしい。私が知らなかった情報もかなり紹介されている。これはやはり一度現地に行って確かめなくてはならない。

著者情報

角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)

1976年北海道芦別市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業、同大探検部OB。2010年『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』(集英社)で第8回開高健ノンフィクション賞、11年同作品で第45回大宅壮一ノンフィクション賞、第1回梅棹忠夫・山と探検文学賞。12年『雪男は向こうからやって来た』(集英社)で第31回新田次郎文学賞。13年『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』(集英社)で第35回講談社ノンフィクション賞。15年『探検家の日々本本』(幻冬舎)で毎日出版文化賞書評賞。

本ホームページに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます。すべての内容は日本の著作権法並びに国際条約により保護されています。
(c)SHUEISHA Inc. All rights reserved.