謹んで令和元年台風災害のお見舞いを申し上げます。
度重なる台風により被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。
また、被災地等におきまして、避難生活や復興の支援など様々な活動に全力を尽くしていらっしゃる方々に、深く敬意と感謝の意を表しますとともに、
一日も早く復旧がなされますよう心よりお祈り申し上げます。
(株)集英社
既刊情報
男というものが、ふたりの女の狭間で揺れ動くとき、どちらをより愛し、関係を継続したいと願うのか?
恋する女にとって、また妻となった女にとっても、このあたりの男の心理は、大きな関心事に違いない。
『ひとひらの雪』は、まさしく、そんな優柔不断な男の心理が一つのテーマである。
著名な建築家の伊織は、妻と別居中でマンションに一人暮らし。部下である笙子とは恋人関係にありながら、茶花の侘助の花のように控えめで上品な人妻、霞に惹かれていく。骨董商の妻で着物姿もたおやかな霞に心奪われていく伊織。霞もまた、そんな伊織を愛してしまう。ふたりは逢瀬を重ね、大胆にも、ヨーロッパ旅行まで伴にするようになる。
霞を愛しているが、笙子とも別れがたい。身勝手な伊織は、男というものの典型にも思える。
「明方、朝地震(あさない)があった」そんな書き出しで始まるこの小説は、「様式美」にこだわった美しい文章に満ちている。小説の豊穣な世界にしばし浸りたい。
恋する女にとって、また妻となった女にとっても、このあたりの男の心理は、大きな関心事に違いない。
『ひとひらの雪』は、まさしく、そんな優柔不断な男の心理が一つのテーマである。
著名な建築家の伊織は、妻と別居中でマンションに一人暮らし。部下である笙子とは恋人関係にありながら、茶花の侘助の花のように控えめで上品な人妻、霞に惹かれていく。骨董商の妻で着物姿もたおやかな霞に心奪われていく伊織。霞もまた、そんな伊織を愛してしまう。ふたりは逢瀬を重ね、大胆にも、ヨーロッパ旅行まで伴にするようになる。
霞を愛しているが、笙子とも別れがたい。身勝手な伊織は、男というものの典型にも思える。
「明方、朝地震(あさない)があった」そんな書き出しで始まるこの小説は、「様式美」にこだわった美しい文章に満ちている。小説の豊穣な世界にしばし浸りたい。
著者情報

渡辺 淳一(ワタナベ ジュンイチ)
1933年北海道生まれ。医学博士。1958年、札幌医科大学医学部卒業後、母校に勤めるかたわら小説を執筆。1970年『光と影』で直木賞、1980年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞、菊池寛賞など受賞歴多数。2003年には紫綬褒章受章。作品は、医学を題材にしたものから、歴史、伝記的小説、恋愛小説と多彩で、常に文壇の第一線で活躍した。2014年4月30日没。『化粧』『ひとひらの雪』『失楽園』『鈍感力』ほか著書多数。